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抜けた歯をそのままにしていたらダメですか?2021.08.12

歯を抜いて痛みがなくなったら、「1本無いけどそれほど不都合なく使える。」と考え、それ以後の歯医者さんの通院をやめてしまう…、抜歯後に部分入れ歯を入れたものの、なかなか馴染めないなどの理由で使用を中断してしまった…。などの状態でそのままにしてしまう方がいます。

しかし、永久歯において、親知らず以外の歯で抜けたままにしておいて良い場合はほとんどありません。たった一本でも歯を失う事と想像以上に多くの影響をおよぼします。医いた歯をそのままにしているとどんな影響があるのでしょうか。

 

・歯が伸びてくる

歯は噛む歯、隣の歯があることによって一定の位置に保たれますが、それが無くなると移動します。つまり上下的に噛み合っていた歯は、噛み合わせる相手が無くなるので、徐々に伸び出てきます。これは歯の長さが長くなるのではなく、歯の周りの骨も一緒になって出てきています。そして、接触する歯がなければ、反対の歯茎まで伸びてくることもあるのです。長くなってしまった歯を元の位置に戻すことは困難な治療で、抜けてしまった歯のスペースを補うための人工の歯を入れる際にもとても難しい治療となってしまいます。

 

・抜けた歯の両隣が傾いてくる

隣り合う歯が相互に力を掛け合うことによって、歯はその位置を保っています。抜けた歯の両隣の歯は、支えてくれる歯が無くなってしまい、歯が抜けた方向に傾いてしまいます。そのまま長期間、放置しておくとさらに隣の歯も同じように傾いてしまいます。時間が経つと咬み合わせは崩れ、中途半端な隙間が残りスペースが不足し、人工歯根(インプラント)を入れることができなくなります。また「ブリッジ」や「入れ歯」で治療することさえ出来なくなってしまいます。

 

また歯が傾いてきたり、伸びてくると食べ物が歯の隙間につまりやすくなったり、斜めに傾いた部分や、伸びた歯の部分は磨きにくくなり、プラーク(虫歯や歯周病の原因となる細菌の集合体)がたまりやすく、虫歯や歯周病になるリスクが高い口内環境になります。

 

 

また、生活面でも歯を抜いたままにしていると様々な影響があります。

 

・きちんと噛めないことで胃腸に負担が掛かる

咬み合せのバランスが崩れてしまったことによってうまく食事を咀嚼できない状態が続くと消化しにくい状態で食べ物が胃腸に送られることになり、胃や腸への負担が増加します。
また、咀嚼がきちんとできないと唾液の分泌が不足するので、消化の妨げになります。それだけでなく、唾液には口の中をキレイにする自浄作用があります。唾液の不足により歯垢の分解が上手く進まず、歯周病のリスクが高まります。 唾液の不足は口臭の原因となってしまう場合もあります。

 

・脳への刺激が減少する

噛むことにより脳に刺激が与えられますが、噛み合わせが上手くいかないことにより脳への刺激が減少します。その結果、認知症のリスクが高まります。

 

 

このように歯を抜いたまま放置しておくことで、様々な問題が起こります。そして、重要なことは見た目が悪かったり噛みにくいなど、抜いたところだけの問題にとどまらず、反対の歯や両隣の歯などほかの歯にもトラブルが起こしたり、全身的にも影響を及ぼすようになるということです。悪くなってしまってからこの状況の治療改善をすると反対側の歯や両隣の歯の治療が必要になる場合があり、元々の治療予定よりもかなり大掛かりな治療が必要になります。その場合は治療期間も治療費も高くなります。

 

「歯を抜いた後に放置せずに、すぐに対処していれば、こんな問題が起きなかったのに…」と後悔やトラブルを抱えないためにも、歯を抜いてしまった後は放置せずにしっかりと最後まで治療をするようにしましょう。